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精子と射精に関する基礎知識

 
 小学校では、女子を対象にした「月経教育」がおこなわれるが、男子の「射精教育」なんていうのは、ほとんど無いに等しい。それくらい、男性は精子と射精について詳しく知らないのだ。
 

精子とは?

《成熟した雄性の生殖細胞。運動性をもち、卵子と結合して個体が形成される原因となる。精虫》

(『岩波国語辞典』第七版新版より引用) 

精子の形について

《精子といえば、オタマジャクシのように、頭と中間部、そして長く細い尻尾からなる、あの堂々として、なめらかで、活発に動き回る姿が思い浮かぶだろう。よく見ると、頭は三角形の舟の艪のようで、周りは楕円形だ。そして平べったい帽子を被っていて、この帽子には重要な物質が入っている。受精させる精子が卵子の核へ運ぶDNAのパッケージが、濃厚に折り畳まれているのだ。頭は棒つきキャンデーのように頑丈な中間部の上に載っかっている。中間部は、精子の発電所で、尻尾を動かして泳ぐ原動力になるエネルギーが蓄積されている》
《この精子のイメージはたいていの人がよく知っているのだが、実はそのような精子は、ふつう1回の射精で出る精子の中でも、わずか半分ちょっとしかいない。精子軍団はふつうに考えられているより、もっとずっと違った性質の精子がいる混成部隊なのである。その部隊には、大きい頭、小さい頭、ピンのようにとんがった頭を持つものもいる。ピン頭は、頭の部分がとても小さいのでDNAの遺伝子のパッケージを運ぶことができない。さらに、丸い頭もいれば、葉巻型、洋梨型、ダンベル型、またあまり不規則に変形しているので何と説明していいかわからない形をした頭の持ち主もいる。さらには頭が二つ、三つ、非常に稀には四つも頭を持つ精子もいるのだ。
 頭の形が違うだけではない。尾も違う。短い尻尾、スプリングのようにクルクル巻いた尻尾、二本、三本、ときには四本の尻尾を持つ精子もいる。また胴体が九十度曲がった猫背の精子や、細胞のバッグを胴体にリュックサックのように背負ったハイカーのような精子もいる。平均的に見ると、軍団のわずか六〇%だけがあのよく知れわたっているなめらかな運動力抜群の精子で、残りはこういった標準からはずれた精子たちなのだ。しかし、精子戦争では、すべての精子が重要な役割を演じるのである》

(ロビン・メイカー著、秋川百合訳『精子戦争 性行動の謎を解く』河出文庫より引用)

 
 この『精子戦争 性行動の謎を解く』によれば、精子の形というのは、あの単純なオタマジャクシの形だけではなく、様々な形があって、それが一度の射精で“混成部隊”を形成しているというのだから驚く。この本にあった資料を参考に、多種多様な精子の形をイラストにしてみたので、見てほしい。
 

勃起と射精

男性は、勃起したペニスを刺激すると、射精する(=精子の射出)
 
○勃起のしくみ
①性的な刺激が脳(大脳)に伝わる
②それから脊髄を伝わり、腰椎にある勃起中枢に伝わる
③ペニスの海綿体に血液が流入する
④ペニスが硬くなる
 
○射精について
《自慰の場合でも性交の場合でも、ペニスは特定の性的刺激をうけさえすれば、次第に官能的な快感のたかまりを覚えるようになります。それは亀頭にもっとも強く感じられてきますが、やがてその快感は骨盤一帯に拡がり、なかには全身に拡がっていくものもあります。そして、男性自身もまた、ときに興奮のるつぼと化してしまいます》
《男性は射精の直前に、精液がでそうなのに気づきますが、ある時点をこえると、もはや射精をおさえることが不可能になります。そこでおさえようと思っても、精液は放出されてしまいます。一口にオルガスムスといっても、男性の場合は、射精させるための最初の筋肉収縮の直前や、射精しつづけている間が最高潮で、その後は女性と同じように、官能的な筋肉収縮や頭の働きの一時的な断絶がともない、つづいて筋肉は弛緩し、眠気をさそうような安らぎが訪れてきます》

(ベント・H・クレーソン著、岡崎晋・謝国権共訳『高校生の性知識 デンマークの性教育副読本』池田書店より引用)

精液について

 精液とは、精漿(せいしょう)という分泌液に精巣でつくられる精子(1日に約7000万つくられる)が混ざったもののこと。精液は、1回の射精2~3ml放出される。精子の数はおよそ2~3億
 

補足

射精とマスターベーションの関係を理解しておこう
 
○人はマスターベーションをどれくらいの頻度でおこなうのか?
 射精の頻度は精子の製造量と密接にかかわっていて、セックス、マスターベーション、夢精のバランスによって異なる。年齢による射精の頻度の推計では、
 
▼思春期から30歳頃まで
毎日平均約3億の精子が製造され、週に3~4回射精
▼50歳までには
精子の製造量が1億7500万に減り、射精の回数は週2回
▼75歳までには
1日2000万と減り、射精回数は月1回以下
 
 若い人ほどマスターベーションをよくおこない、射精の回数も多い。精子の製造量も、若い人の方が多い。
 30歳以下で、1週間に3回以上セックスをする男性は、滅多にマスターベーションをしない。1週間に1回しかセックスをしない時は、週2回ほどマスターベーションをする。このことから、射精の頻度は、精子の製造量と密接な関係にあることが分かる。
 
【参考文献】
ロビン・メイカー著、秋川百合訳『精子戦争 性行動の謎を解く』(河出文庫)

〈了〉 

精子の形は多種多様なのだ!