男に異存はない。包茎の話。

男子のナニー改

オナニーの古い因習を捨て、
新しい現代のスローなオナニーの快楽をめざそう

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女性向けアダルトDVDを男性も鑑賞しよう

 

2019年9月24日

 「男子のオナニー改革論」。その4回目の最終章。オナニーの古い因習を捨て、新しい現代のスローなオナニーの快楽をめざそうというテーマの締めくくりは、「女性向けアダルトDVDを男性も鑑賞しよう」なのだ。
 

悪いやり方のオナニーをやめるということ

 これまでの内容を大まかに整理しておく。「①不適切なオナニーが健全な勃起と射精を阻害する?」では、床オナ皮オナといった不適切なマスターベーションをおこなうと、不妊症すなわち「性機能障害」(射精障害や勃起不全)を起こす可能性があることを示唆した。それを回避するための方策として、マスターベーションのやり方を根本から見直すことを提案。それが、「③スローなマスターベーションの提案―そのメソッドへの実践的な取り組み」
 
 男性向けアダルト動画の“過剰な演出”は、本来お互いが楽しむためのセックスを、男尊女卑的な一方的な押し付けセックスの極端な形態にゆがめてしまっていた。そうした旧態依然の、露出度の高い動画を“観ながら”の自慰は、自身のペニスを副次的な存在へと圧し殺し、擬似的なセックスの官能を味わうことにつながらない。
 そのことによって「性機能障害」に陥らないようにするための具体的なメソッド――すなわち、スローなマスターベーションをおこなうということ。いわゆる「ナチュラル・マスターベーション」といって、アダルト動画などの視覚的要素による刺激に直接頼らない、自身の空想によって興奮度を高めるマスターベーションへ、マインド・チェンジすることが目的だ。
 
 これまで過剰なアダルト動画を“観ながら”のマスターベーションに励んでいた男子にとっては、このマインド・チェンジは少々違和感があったり、ある意味において退屈かも知れない。しかし本来、マスターベーション(オナニー)というのは、パートナーとのセックス(本番)のための、反復性のある「模擬試験」のようなものであり、その意義が逆転してしまうと、マスターベーションのためのマスターベーション(=極端な自己本位の快楽)に陥ってしまうのである。
 男性のマスターベーションに対する最大の誤解は、“暇だからシコる”だ。動画を“観ながら”の自慰は、自分のペニスを観察すらせず、ただ単にペニスが刺激の対象物と化してしまって、大切な自身の身体の一部=性器という観念が薄れていくのである。これは、本義的なマスターベーションとは言えない。なおかつそれが、床オナ皮オナなどの不適切な行為であれば、本番のセックスではパートナーに直接的あるいは間接的苦痛を与えかねず、独りよがりの快楽でパートナーが楽しめていない、といった不和に陥る可能性がきわめて高いのだ。
 
 で提案した「ナチュラル・マスターベーション」の実践スタイルでは、アダルト動画などの鑑賞は、あくまでマスターベーションをおこなう前の、気分を盛り上げるための視覚的効用に過ぎない。何度も言うように、アダルト動画を“観ながら”マスターベーションをおこなうと、ペニスへの強い刺激の自慰となりやすいので、控えるべきなのである。
 そこで私はここで、若い男子達に新たな提案をしたい。旧来の男性向けの過剰な演出のアダルト動画を観るのをやめ、女性向けアダルト動画を鑑賞するのだ。この方法によって、男性自身の過剰な刺激を避け、本来のセックスの快楽のための、反復性のある「模擬試験」という位置づけを取り戻すことができる。特に若い男子は、こうした試みを実際的におこなってみるべきではないだろうか。

“SILK LABO”女性向けアダルトDVDで男子もオナニーする

 私が女性向けアダルトDVDレーベル“SILK LABO”(シルクラボ)の存在を知ったのは、雑誌『an・an』の“SEX特集”の付録になっていた、撮り下ろしDVDを観たことがきっかけである。この中の動画を実際に観て、鑑賞者が女性であることを意識したソフトな感覚の内容が、若い男子にも受け入れられるのではないかと思ったのだ。
 
 昔と違い、若者の性に対する意識は、どんどんと薄まっていく傾向にある。現実問題としてセックスが遠のいてしまっている一方で、性感染症の被害が増えている。何故こうしたことが起こるのか。
 その一端として考えられるのは、男性向けアダルト動画が、セックスをでたらめな作り物に置き換えてしまっているからである。男性は女性にペニスを加えることを強要し、精液を口に含ませることを強要する。イヤもイヤも好きのうち、と勝手な論理で誤解する。こんなセックスなんて絶対やりたくない、と女性が拒否反応を示しているのは、そこに本来的な愛がないからだ。セックスはなんのためにするのか、今一度考えてみる必要がある。
 私は思うのだ。であるならば、本来的なゆるいセックス(スローなセックス)を鑑賞し、ゆるいマスターベーション(スローなマスターベーション)に臨むことが、若い人の最適なセックス模擬試験になるのではないか。
 
 では実際に、“SILK LABO”の女性向けアダルトDVDを鑑賞してみよう。
 ここでは、雑誌『an・an』(マガジンハウス)の“SEX特集”号(No.2163 2019.8.14-21合併号)の付録DVD「愛はいつでもそこに」を参考にする。ちなみに、“SILK LABO”(シルクラボ)とは、アダルト・ビデオ・メーカーの牧野江里さんが2009年に立ち上げた女性向けアダルトDVDレーベルのことだ。
 DVD「愛はいつでもそこに」は、3つのエピソード(コンテンツ)が収録されている。“エロメン”の3人(橘聖人上原千明東惣介)がそれぞれ出演。若々しい彼らが、女性向けアダルト“SILK LABO”の旗印となり、男性向けアダルトでありがちな、冴えない中年男優が女性の相手をつとめる陰気な印象とはまったく異なる美しさと輝かしさがある。プロっぽくないセックス・シーンも、女性に支持される一つの魅力となっているのだ。
 
 3つのエピソードのうち、橘聖人(たちばなまさと)さんが主演の「気づくの、遅いっすよ」を観た。オフィスに残された若いサラリーマン男子と先輩のOL女性。休日出勤でしかも夜遅くまで残業といったひどい一日。最悪の気分で女性は溜息を漏らすのだが、後輩男は、先輩女性に声をかけて励ます。仕事がなかなか捗らず、男がわざわざコンビニで買ってきた缶ビールで一息入れ、乾杯すると、たちまち酔いがまわったせいか、先輩女性は後輩に対し、異様な目つきを示して性的な気分に陥る。緩んだ後輩男も気分を良くし、二人はベッドインしてしまう。
 後輩男は優しく先輩女性を愛撫する。会話がなかなかリアリスティックで可愛らしい。恥ずかしがる先輩女性の方も気分を高めながら、男の熱い愛撫に心がよろめいていく。
 セックスはきわめてシンプルだ。男が女を弄ぶような、いやらしいアクションはまったくない。整然とした清々しいセックスが続き、二人は官能のオルガスムスに達して、仲良く手を握り合う――。
 

シンプルかつ安心安全なセックスへ―愛があれば

 味気なくもあり、濃厚でさえある若い男女のセックス。この付録DVDのコンテンツでは、局部の露出モザイクもない。結合のみを延々と映し続ける一般の男性向けアダルトとは毛色が違い、実によくソフィスティケートされている。したがって、鑑賞者が見ていて興奮していくポイントが、そもそも男性の性的欲求とは違っているのだ。 
 女性が見たいセックス・シーンとは、露骨な男性の局部などではなくて、パートナーとしての思いやりの雰囲気であったり、優しさであったり、さりげない仕草であったりする。そうしたことを疑似体験していき、自身の興奮度を高めていく。
 
 “SILK LABO”におけるアダルト動画は、その男女のシチュエーションは様々でありつつも、一貫して男に避妊具のコンドームを装着させた安心安全なセックスをイメージさせ、女性の心が解放していく様を描いている。セックスのリアルという意味とは少し異なるが、あまりにもどきつい演出に凝り固まった一般の男性向けアダルト動画とは、まったく方向性が違うのである。 
 こうしたセックスの在り方の理解に若い男子が賛同するのであれば、“SILK LABO”のアダルトは必ずしも、女性のみにターゲットを絞る必要はない。新しい世代のセックス像を模索すれば良いのである。 

〈了〉 

雑誌『an・an』の付録DVDを鑑賞する

付録DVD「愛はいつでもそこに」。

「気づくの、遅いっすよ」に主演の橘聖人さん