の話。
寝た子を起こせ。これは一生に関わる大事なことなんだから。

【コロナ情報】女性と妊婦さんに知ってもらいたいこと

2020年4月7日

 
 新型コロナウイルス(COVID-19)の治療薬として期待されている「アビガン」について、その副作用があるため、妊婦さん又は妊娠の可能性のある女性には投与できない旨の情報を、できるだけ集めておきたいと思っている。今後、その他の治療薬の開発に関する情報においても、妊婦さんや女性への副作用の影響はないのか――の観点に絞り、情報を掲載していくつもりである。

さまざまな既存治療薬の効果と問題点

 2020年4月7日付の朝日新聞朝刊の記事「既存の薬 転用できるか」(小見出しは「特効薬なく インフル・ぜんそく薬で改善報告も」)に記されていた内容を以下に要約してみたので、ぜひ、若い女性や妊婦さんには目を通していただけたらと思う。
 
新型コロナウイルスの肺炎治療薬の研究開発がおこなわれている。が、新薬開発には時間がかかる。
②既存の治療薬が効くかどうかの試みが、世界で進められている。既存の治療薬なので、体内の働きや副作用が分かっている。
③既存の治療薬が新型コロナウイルスに有効な手段であれば、開発の時間が短縮できる。
④既存の治療薬は新型コロナウイルスを対象に承認された治療薬ではないので、投与には患者の同意が必要であり、医師の判断で使用する場合は「適用外使用」ということになる。
「アビガン」(富士フイルム富山化学が開発した新型インフルの治療薬)について。安倍首相は3月28日の記者会見で、「これまで数十例投与が行われ、症状の改善に効果が出ているとの報告もある。今後希望する国々と協力しながら臨床研究を拡大する」と発言。
⑥東大医科学研究所では、ウイルスの細胞侵入を防ぐ「フサン」(急性膵炎の治療薬)を併用する研究を進めている。
「オルベスコ」は気管支ぜんそくの薬で、神奈川県立足柄上病院で「オルベスコ」吸入から症状が改善した事例も。「オルベスコ」はウイルス増殖の抑制効果があるのではないかとされている。
「アビガン」は、新型インフル流行のために政府が備蓄している治療薬である。
「アビガン」は、動物実験で妊娠中のおなかの子に奇形を生じさせることが既に分かっている。
「オルベスコ」はぜんそくの症状を抑えるため、免疫を一時的に弱める治療薬であり、免疫が低下すると、体内のウイルスが増えるリスクもある。
⑪今のところ、RCT「無作為化比較試験」の臨床試験で新型コロナウイルスへの効果が確認された治療薬はない。
「レムデシビル」(エボラ出血熱の治療薬)のRCTの評価が期待されている。

2020年4月7日付朝日新聞朝刊「既存の薬 転用できるか」より

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  こうした記事の内容を読むと、政府は特に新型インフルの治療薬である「アビガン」に期待をかけ、新型コロナウイルス感染症対策の切り札として考えているように思われるが、残念ながら「アビガン」は、すべての老若男女を救う有効な治療薬とは成り得ない。何故なら「アビガン」は、妊娠を控える女性と妊婦さんには大きなリスクがあり、投与できないからだ。であるならば、政府はもっと幅広い視野で選択肢を広げ、今後複数の新型コロナウイルスの治療薬の開発に着手してもらいたいと願う。
 
 また、厚生労働省のホームページでは、妊婦の方々への新型コロナウイルス感染症対策として注意事項(リーフレットなど)を掲載しているので、妊娠の可能性のある女性又は妊婦さんは、厚生労働省のホームページの情報を逐一チェックするといいだろう。
 日々、アップデートされていく感染症対策と治療薬関連の情報に注視していきたい。と同時に、ネット上のデマ情報や詐欺にも十分注意して、そのデータの発信元を確認するようにしよう。

〈了〉